マイナーチェンジした新型スカイラインを購入するにあたり、注意すべき点は次の通りです。
スカイラインのポイント
- 一新されたエクステリアが採用され、インフィニティエンブレムではなく日産エンブレムを採用
- 走り重視のハイブリッドは、スポーツセダンらしい圧倒的な加速力が魅力
- 2.0Lターボエンジンを廃止、新たにV6ターボエンジンを搭載
- 新世代運転補助機能プロパイロット 2.0を採用
- 乗り出し500万円前後の高価格と、かつて名を馳せたスカイラインのイメージが評価を妨げている

こちらも人気記事
この記事の内容
スカイラインの評価・口コミを辛口チェック
現行モデルで13代目となるスカイラインが、2019年の9月にマイナーチェンジ発売されました。
外観上の違いは最近の日産ブランドを示すVモーショングリルが採用されたことが目立ちます。
びっくりしたのはグリルのインフィニティマークが廃止され日産マークが復活!したことです。
日本でなかなか浸透しないインフィニティをいったん休止せざるを得なかったということですか。
もう一つのデザイン上のトピックは、丸目4灯リヤコンビネーションランプが復活したことです。
やはりスカイラインのリアビューはこうでなくては!
現行型スカイラインは、海外ではインフィニティQ50の名でプレミアムブランドの高級セダンとして販売され、年間8万台を売り上げる人気車ですが、日本では500万円前後という高価格もあって年間3千台程度とあまりパッとしません。
マイナーチェンジで販売台数がどう動くかに注目です。
辛口チェック
- 2.0Lターボ廃止で価格が大幅アップ!高級路線に疑問
- 非ハイブリッドモデルではプロパイロットが選べない(400Rも)のは大クレーム
- 400Rは外観上の違いが通常モデルとそれほどないので、カスタムモデルとしての個性感は薄い

新型スカイライン 車体色はブリリアントホワイトパール
実車を見ると、フロントマスクは旧型との差が思ったよりなく、Vモーショングリルの追加とバンパー形状の変更くらいに見えます。

旧型(マイナーチェンジ前)のスカイライン
気になるスカイラインの価格は?
スカイラインの車両本体価格をグレード別に紹介します。
<新型スカイラインの車両価格> | |||
●3.5Lハイブリッド | |||
グレード | ミッション | 駆動方式 | 車両価格 |
GT |
7速 AT
| FR | 5,474,520円 |
4WD | 5,754,240円 | ||
GT Type P | FR | 5,711,040円 | |
4WD | 5,990,760円 | ||
GT Type SP | FR | 6,048,000円 | |
4WD | 6,327,720円 | ||
●3.0Lターボ | |||
GT | 7速 AT
| FR | 4,274,640円 |
GT Type P | FR | 4,554,360円 | |
GT Type SP | FR | 4,818,960円 | |
400R | FR | 5,523,120円 |
北米市場でもライバルとなるレクサスISと比較すると、もっとも安いIS300のベースグレードが471万4,000円、もっとも高いIS350 F SPORTが633万8,000円、ハイブリッドのIS300h version Lが580万2,000円とスカイラインの方がかなりお買い得となっています。
レクサスはトヨタが世界のプレミアムブランドと標榜しているだけあって、全体的な値付けが高めです。
スカイラインはプレミアムスポーツセダンとして海外ではレクサスISに負けない魅力を持っており、これだけ安いと購入時にはよく検討することをおすすめします。
新型スカイラインの対抗車種は??
新型スカイラインの対抗車種は、トヨタクラウン、レクサス・ISが挙げられます。
それぞれの車両価格を比較してみましょう。
<新型スカイラインと対抗車種の車両価格比較> | ||
ベースモデル | カスタム | |
新型スカイライン | 4,274,640~6,327,720円 | 5,523,120円(400R) |
現行クラウン | 4,606,200~7,187,400円 | 5,000,400~6,906,600円(RS) |
現行レクサスIS | 4,714,000~6,242,000円 | 5,218,000~6,399,000円(F SPORT) |
それぞれのカスタムは、新型スカイラインは「400R」、現行クラウンは「RS」、現行ISは「F SPORT」を示しています。
ベースモデルでは、新型スカイラインの車両価格が比較的リーズナブルで、現行クラウンは対抗車種の中で価格が高いです。
カスタム車でも同じことがいえるでしょう。
では次にスペックについて比較していきましょう。
<新型スカイラインと対抗車種のスペック比較> | |||
新型スカイライン | 現行クラウン | 現行レクサスIS | |
全長 | 4,810mm | 4,910mm | 4,680mm |
全幅 | 1,820mm | 1,800mm | 1,810mm |
全高 | 1,440mm | 1,455mm | 1,430mm |
室内長 | 2,000mm | 1,980mm | 1,945mm |
室内幅 | 1,480mm | 1,500mm | 1,500mm |
室内高 | 1,180mm | 1,185mm | 1,170mm |
ホイールベース | 2,850mm | 2,920mm | 2,800mm |
最小回転半径 | 5.6m | 5.5m | 5.2m |
車両重量 | 1,700~1,840kg | 1,965~2,175kg | 1,640~1,650kg |
ボディサイズを比較すると、全長のサイズから現行ISの取り回しが効きやすいといえるでしょう。
室内では、室内長やホイールベースの寸法から、新型スカイラインが最もゆったり過ごせるといえます。
ただ室内幅は新型スカイラインが最も小さいことから、隣の席との距離はせまいです。
車両重量は、現行クラウンで2,000kgを超えているグレードがありますが、都心の機械式の駐車場では2,000kgを超える駐車場は入庫できない場合がありますので、注意を払う必要があります。
その点、新型スカイラインでは、ボディサイズや寸法をみると一般の駐車場に駐車できるスペックをしていますので安心です。
ここではメーカーが異なる対抗車種についてご紹介しましたが、今回の記事の内容でそれぞれの車種の情報を有したうえで、各ディーラーで試乗させてもらいましょう。
例えば日産のスタッフは、新型スカイラインの対抗車種がクラウンやISであることを意識していますので、新型スカイラインを試乗した際は「クラウンとISと迷っている」と伝えると、値引き交渉が進みやすくなるものです。
各車種を試乗することで、より新型スカイラインの良さもみえてきますので、対抗車種を身体で感じるためにも、ぜひ試乗してください。
スカイラインのエクステリア
スカイラインの外観デザインは非常に個性的で、特に猛禽類の鋭い眼光をイメージさせるヘッドライトと、噛みつかれそうなダブルアーチ形フロントグリルの「ちょっと怒ってます」といった雰囲気。
スカイライン独特のアイデンティティとともに高級車としての品格が感じられます。
全体的なボディスタイリングは、今流行りのファストバック風で、ぜい肉をそぎ落としたグラマラスなフォルムは、獲物におそいかかるヒョウみたいな躍動感のあるグッドデザインです。
新型スカイラインは、日産のブランドデザインである「Vモーション」が採用されました。
前モデルで採用されていたエンブレムは、インフィニティではなく日産のエンブレムに変更。
リアでは、歴代のスカイラインでも採用されていた丸型4灯が採用されており、スポーツエキゾーストフィニッシャーが装着されています。
前モデルでは上級セダンの雰囲気が漂っていましたが、新型スカイラインは高い走行性能を発揮するオーラを感じることができるでしょう。
新型スカイライン400Rは専用の19インチアルミホイール、レッド塗装のブレーキキャリパー、ブラックドアミラーが装備され、ベースモデルと差別化が図られています。
新型スカイラインのボディサイズは以下のようになっています。
<新型スカイラインのボディサイズ> | ||
新型スカイライン | 新型スカイライン400R | |
全長×全幅×全高 | 4,810mm×1,820mm×1,440mm | 4,810mm×1,820mm×1,440mm |
ホイールベース | 2,850mm | 2,850mm |
車両重量 | 1,700~1,840kg | 1,760kg |
新型スカイラインは取り回しを考えた設計になっています。
新しく設定された3.0Lターボエンジンは、軽量設計が施されているため、2.0Lターボエンジンからの30kgの車重増加にとどめることに成功しました。
このことで、より高い走行性能を実現できるようになったのです。
スカイラインのインテリア
二つの大きな波をイメージした、ダブルウェーブと呼ばれるダッシュボードが特徴的なスカイラインのインテリアは、縦長のエアダクトがそれぞれドライバーとパッセンジャーの方向を向いており、機能性を感じさせる効果的なアクセントとなっています。
インパネとドアトリムには、カーボン調の本アルミ・本木目・ガンメタリックの化粧パネルが施されています。

特にインパネ周りはシンプルで、アッパーミドルカーとしてはもう一工夫欲しいところです。
インパネ中央部の上下に設置された大型ダブルディスプレイは、ユーザー目線の愚直な車づくりを信条とする日産らしく、機能性の高い装備ですが、インテリアデザインの先進性や斬新さではライバルのレクサスISに大きく譲ります。
ハイブリッドモデルには、プロパイロットスイッチ、ドライバーモニターに加えて、日産車で初めの搭載となるカラーヘッドアップディスプレイを採用。
その他では、7インチアドバンスドドライブアシストディスプレイ、電動パーキングブレーキなどが採用されたことで便利さも向上しています。
新型スカイライン400Rではキルティング加工のシートやレッドステッチを使われた400R専用の仕様となっているのも特徴的です。
新型スカイラインの室内サイズは次のとおりです。
<新型スカイラインの室内サイズ> | |
室内長×室内幅×室内高 | 2,000mm×1,480mm×1,180mm |
室内サイズは、新型スカイラインと400Rで共通の大きさです。
センターコンソールは2段ディスプレイになっており、ここだけはスカイラインの最新モデル感が出ている部分です。
上段がナビ下段が各メニューとなっていて、情報量が多くなっています。
刷新されたスカイラインのパワーユニット
新型スカイラインのパワーユニットは以下の3つになっています。
<新型スカイラインのパワーユニット> | ||
ハイブリッド | V6ターボ | |
エンジン | DOHC・V型6気筒 | DOHC・筒内直接燃料噴射 V型6気筒 |
総排気量 | 3,498cc | 2,997cc |
エンジン最高出力 | 225kW[306PS]/6,800rpm | 224kW[304PS]/6,400rpm |
エンジン最大トルク | 350N・m[35.7kgf・m]/5,000rpm | 400N・m[40.8kgf・m]/1,600-5,200rpm |
モーター最高出力 | 50kW[68PS] | ― |
モーター最大トルク | 290N・M[29.6kgf・m] | ― |
システム最高出力 | ― | 364PS |
<新型スカイライン400Rのパワーユニット> | |
新型スカイライン400R | |
エンジン | DOHC・筒内直接燃料噴射V型6気筒 |
総排気量 | 2,997cc |
エンジン最高出力 | 298kW[405PS]/6,400rpm |
エンジン最大トルク | 475N・m[48.4kgf・m]/1,600-5,200rpm |
新型スカイラインには、前モデルの2.0Lターボエンジンを最新の3.0Lツインターボエンジンに変更。
3.0Lターボエンジンは海外仕様のみに設定されていましたが、今回のマイナーチェンジで日本仕様にも採用されることになりました。
スポーツモデルの最上位である新型スカイライン400Rは、これまでのスカイラインの中でも最高となるパワースペックへと高められています。
さらに環境へ配慮した3.5Lハイブリッド車(システム最高出力364PS)が設定されましたので、幅広く新型スカイラインを選択することが可能です。
スカイライン自慢の走りは?
新型スカイラインには「インテリジェントダイナミックサスペンション」が搭載されます。
このサスペンションは、セミアクティブタイプのショックアブソーバーを備えるシステムが採用され、直線走行時は減衰力を低くするために乗り心地が良く、コーナリングでは減衰力を高くして操縦安定性を良くしているのです。
またステアリング機能である「ダイレクトアダプティブステアリング」からは、舵角の情報がサスペンションシステムに送信され、タイヤが動き始める前にロールの発生を抑えることができます。
それだけでなく凹凸のある路面でステアリングがとられそうになったときも、安定した走行性を実現しているのです。
低速から中速の舵角の過敏さを減らしていることで、快適なハンドリングでドライブすることができるでしょう。
新型スカイライン400Rは、新採用のV型6気筒3.0Lターボエンジンの出力を405psまで向上、これは歴代スカイラインの中で最も高い出力です。
さらにIDS(インテリジェントダイナミックサスペンション)を標準装備しているため、乗り心地も安定したものとなっています。
スカイラインのカラーラインナップ
スカイラインのボディーカラーはパール系が3色、メタリックが3色、ソリッドカラー1色、3コートパールとパールメタリックがそれぞれ1色ずつの計9色があります。
パール系 | インペリアルアンバー オーロラフレアブルー メテオフレークブラックパール |
メタリック系 | HAGANEブルー ブリリアントシルバー ダークメタルグレー |
ソリッド系 | スーパーブラック |
3コートパール | ブリリアントホワイトパール |
パールメタリック | ラディアントレッド |
新型スカイラインは、前モデルに加えてカーマインレッドが新色追加されました。
カーマインレッドは、光の当たり方によっては鮮やかな姿を見せたり、陰影な姿をみせるなど、スポーティな走りを見せる新型スカイラインにぴったりのカラーといえます。
新型スカイラインを購入するときにボディカラーを選びには時間がかかるときがあります。
自分の好きなカラーを選ぶのはもちろんですが、将来新型スカイラインを手放すときにできるだけ高く買取りしてほしいものです。
車を買取りしてもらうときの査定では、ボディカラーが査定の対象に入っています。
なぜなら買取業者は買取りした車を他で販売するのですが、そのときに人気のあるボディカラーであれば高く販売することができるため、買取業者は人気カラーの車を高く買取る傾向にあるのです。
そのため新型スカイラインでも人気カラーを選んでおけば、将来新型スカイラインを手放すときに高く買取りしてもらうことができます。
これらのことも考えてボディカラーを選ぶときはさまざまなことを考えなければいけません。
スカイラインの燃費性能
新型スカイラインの燃費性能は以下のようになっています。
<新型スカイラインの燃費性能> | ||||||
エンジン | 駆動式 | JC08 モード | WLTCモード | |||
総合 | 市街地 | 郊外 | 高速道路 | |||
ハイブリッド DOHC・V型6気筒
| 2WD | 14.4 Km/L | ― | ― | ― | ― |
4WD | 14.4 Km/L | ― | ― | ― | ― | |
V6ターボDOHC 筒内直接燃料噴射V型6気筒 | 2WD | ― | 10.0 Km/L | 6.2 Km/L | 10.6 Km/L | 12.9 km/L |
400R
| 2WD | ― | 10.0 Km/L | 6.5 Km/L | 10.6 Km/L | 12.5 Km/L |
V6ターボエンジン車は、JC08モードより実燃費に近いWLTCモードが採用されており、ハイブリッド車はJC08モードで燃費が示されています。
ハイブリッド車のJC08モードは14.4km/Lですが、実際の燃費はもう少し燃費が低くなる傾向があるのです。
V6ターボエンジンはWLTC総合モードで10.0km/Lで、市街地と郊外では燃費の差が大きく違います。
新型スカイラインは高速道路での燃費が最も良く13.0km/弱まで伸びていますが、スポーティに走る車だからこそ燃費の良さは高く期待することはできません。
スカイラインの安全装備
新型スカイラインには、以下のような安全装備である「プロパイロット2.0」や、その他の安全装備が搭載されています。
<新型スカイライン「プロパイロット2.0」などの安全装備一例> | |
●360度センシング | 検知角度の異なるフロントの3眼カメラを含む7個のカメラの映像、5個のレーダー、12個のソナーで、道路の白線、標識、周辺車両を検知 |
●3D高精度地図データ | 3D高精度地図データはルート情報に加えて、高速道路の路面の傾斜やラインの色などさまざまな道路情報をセンチメートルレベルの緻密さでデータ化。360度センシングの情報と組み合わせることにより、レールに乗っているかのように正確で安心感の高い走行を可能 |
●インテリジェントインターフェース | 360度センシングの情報やプロパイロット 2.0の作動状態、車線変更の提案やハンズオフの可否など、さまざまな情報を、7インチの大画面とカラーグラフィックスで分かりやすく表示 |
●タイヤ空気圧警報システム | タイヤの空気圧がメーター内に表示されリアルタイムに確認できるため、安全運転に貢献 |
●安全運転支援システム | 出会い頭の事故が多発する見通しの悪い交差点において、路上のインフラ設備との通信により、車両に危険(出会い頭衝突、一時停止規制見落とし、信号見落とし、赤信号停止車両への衝突)が生じる可能性があると判断した場合、音声ガイドと画面表示でドライバーに注意を喚起 |
新型スカイラインには上記以外にも、さまざまな先進技術、先進運転支援、安全性能が付帯しています。
装備がたくさんついているほど安心して乗ることができますが、あくまでも安全装備ですのでドライバーは安全運転を心がけましょう。
日産スカイラインの評価の商談に行く前に…
人気の新型スカイラインを少しでも安く購入するにはどうすべきでしょうか?
一般の方は慣れないディーラーの価格交渉で、百戦錬磨のディーラー営業マンに騙されてしまうのが実情です。
そこで、どうやって目標値引きを引き出すのか、値引きテクニックを教えます!
値引きテクニック