- スマートアシストⅢ(スマアシⅢ)は設定車種が広がり旧型であるスマアシⅡからの移行が完了した
- これから購入する新車では安全装備スマアシ3をつけておかないと将来の下取りで不利
- 予防安全装備についてJNCAP自動車アセスメントでライバルのスズキに若干劣っているのが残念
旧型「スマートアシストⅡ」と比較するとブレーキアシストがより細分化され、作動条件に関しても速度域が広がり一段と安全性能が高まりました。
ここでは急速に普及が広がる、ダイハツの安全技術「スマートアシストⅢ」の実力を徹底解剖します。
この記事の内容
各社の安全装備の機能を知る
各社の安全装置の認識能力
一口に安全装備と言っても、認識するシステムが各社で異なります。
トヨタセーフティセンス
Honda SENSING
ダイハツ スマートアシストⅢ
さらに進化した予防安全機能『スマートアシストⅢ』
ダイハツが2016年11月にリリースし、同社の「タント」や「ムーブ」など主力車種に搭載されているのが、安全装備『スマートアシストⅢ』です。
フロントウインドウ上部に備わるステレオカメラと、車体後部のソナーセンサーによって、先行車や歩行者、障害物など車両周辺の状況を検知し、ドライバーへの注意喚起や緊急ブレーキを作動させます。
フロントウインドウ上部のステレオカメラは左右カメラ間隔80mmで、ステレオカメラとしては世界最小サイズ。
前方視界の邪魔にならない上に、従来のレーザー光シングルカメラを採用していた「スマートアシストⅡ」よりもさらに安全性が高まりました。
JNCAP自動車アセスメントでは、ライバルのスズキが軒並み60点台後半をたたき出す中、スマアシⅢを搭載したダイハツのタントカスタムは56.2点(2016年)と若干低い得点になっています。
この辺りは点数的に、スズキに軍配が上がっているのは事実ですが、ダイハツにも頑張ってほしいところです。
それでは『スマートアシストⅢ』の機能を紹介します。
1.衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能
①衝突警報機能
走行中に前方の車両や歩行者をステレオカメラが検知し、衝突の危険性があると判断した場合、ブザー音とメーター内表示で警告します。
- 対車両の場合 約4~約100km/h走行時
- 対歩行者の場合 約4~約50km/h走行時
以前の「スマートアシストⅡ」と比較すると、対車両での作動条件速度域が2倍程度まで向上しました。
②事前ブレーキ[スマートアシストⅢ・新機能]
衝突の危険性がさらに高まったとシステムが判断した場合、自動的に弱いブレーキが作動します。
- 対車両の場合 約4~約100km/h走行時
- 対歩行者の場合 約4~約50km/h走行時
③被害軽減ブレーキアシスト[スマートアシストⅢ・新機能]
事前ブレーキが作動している時にドライバーがブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキアシストが作動し、ブレーキ制動力を高めます。
- 対車両の場合 約30~約80km/h走行時
- 対歩行者の場合 約30~約50km/h走行時
④緊急ブレーキ
衝突が避けられないとシステムが判断した場合、強いブレーキで減速。衝突の回避や、被害の軽減をサポートします。
- 対車両の場合 約4~約80km/h走行時
- 対歩行者の場合 約4~約50km/h走行時
以前の「スマートアシストⅡ」では対歩行者での検知に対応していませんでしたが、スマートアシストⅢからは歩行者も検知し緊急ブレーキが作動するようになりました。
作動条件の詳細は以下の通りです。
上限が80~100㎞/hで切られているのはどうかと考えます。
実際にはそれ以上の速度での安全を確保するのがメーカーの義務ではないでしょうか?
作動条件 | 対車両 | 対歩行者 | |
衝突警報機能 | 約4~約100km/h | 約4~約50km/h | |
衝突回避支援ブレーキ機能 | 事前ブレーキ | 約4~約80km/h | |
被害軽減ブレーキアシスト | 約30~約80km/h | 約30~約50km/h | |
緊急ブレーキ | 約4~約80km/h | 約4~約50km/h |
2.車線逸脱警報機能
車線から逸脱しそうになると、ドライバーへ警報し、逸脱回避操作を促します。
- 約60km/h以上での走行中
- ステレオカメラが車線を検知している
3.誤発進抑制制御機能(前方)
約10km/h以下で障害物がある場合にアクセルを強く踏み込んだ時に、エンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示で警告します。
- 前方4m以内に障害物がある場合
- 必要以上にアクセルを踏んだ時
4.誤発進抑制制御機能(後方)
約10km/h以下で障害物がある場合にアクセルを強く踏み込んだ時に、エンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示で警告します。
- 後方2~3m以内に障害物がある場合
- 必要以上にアクセルを踏んだ時
5.先行車発進お知らせ機能
信号待ちなどで前の車が発進したことに気づかない時に、ブザー音とメーター内表示でお知らせします。
- 前方10m以内の先行車が約3m以上進んでも、自車が止まったままの場合
6.オートハイビーム[スマートアシストⅢ・新機能]
対向車のヘッドランプなど前方の明るさを検知し、ハイビームとロービームを手をわずらわせることなく自動で切り替え。先行車や対向車などがいない時にはハイビームにし、遠くまで見通しを確保。安心感を高めます。
- 自車速度約25km/h以上